意外と知らない断熱材の種類や特徴

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意外と知らない断熱材の種類や特徴

 断熱材とは、室内外の熱の移動を室外の温度が室内に伝わりにくくする素材です。
注意点としては、断熱材は完全に熱を断つことはできず、一度何熱材内部に蓄積された熱を時間とともにゆっくりと放射、つまりは熱の移動(伝導)を遅らせていることに過ぎないということです。

■断熱材の役割と主な効果
 断熱材は、建物の外部に面する壁や床、天井や屋根などに張り付けることによって冷気や熱の伝達を遅らせて暑さや寒さを防ぐ役割があります。断熱材は建物内部の隙間を埋めるため、気密性(どれだけ隙間をなくし、外と室内の空気の出入りを少なくしているか)が高まります。気密性が高まることによって屋内と外部の空気の流れが妨げられ、結果として季節に問わず室内の温度を快適に保つことができます。
気密性が低い状態では、外気と一緒に花粉やPM2.5などの汚染物質が住宅に侵入してしまったり、夏の場合はクーラーなどの涼しい空気が外に、暖められた空気が室内に入ってきてしまい、冬の場合は逆に室内の暖められた空気が外に、外の冷たい外気が室内に入ってきてしまいます。そういった状態の場合、温度差から壁の中や床下、天井裏などが結露してしまいカビが生えてしまい、それを餌としてダニが繁殖しアレルギーの原因になることもあります。断熱材は、正しく施工すれば気密性を高めこれらを防ぐ役割を持っています。

■断熱材の種類と特徴
 前項で説明した断熱材は主に、無機繊維系、木質繊維系、天然素材系、発泡スチロール系の4種類があります。それぞれの特徴は

断熱材の代表的な種類特徴価格

無機繊維系
グラスウール
ロックウール
断熱性、不燃性、吸音性に優れる
湿気に弱い
安い

木質繊維系
セルロースファイバー防音効果があり
結露になりにくい
高い

天然素材系
羊毛(ウールブレス)
炭化コルク
防虫効果
調湿効果
高い

発泡スチロール系
フェノールフォーム
ポリスチレンフォーム
断熱性、耐久力、不燃性に優れている
燃えた時の有毒ガスの不安もない
非常に高い

上記のようになります。どれも特徴が異なり価格も違うため、工事の内容と断熱材の特徴を理解したうえで求める性能のものを選ぶと良いでしょう。

■断熱材が対策できる熱とできない熱
 断熱材は住宅での暑さや寒さに対しての対策として有効だと説明しましたが、熱の移動の仕方には原則として3種類あり、空気の移動とともに熱が移動する「対流」、物体内を伝わって移動する「伝導」、物体が直接熱を放射する「輻射」です。対流や伝導のような空気や物体の熱は高温の方から低温の方へ伝わっていく性質があるため断熱材でも防げますが、輻射は物体から出る電磁波、いわゆる赤外線による熱移動が行われ、熱を帯びた物体が赤外線を発しその赤外線がほかの物体に当たると、当たった物体も熱を帯び赤外線を発するという連鎖が起こります。これに対して断熱材は防ぐことができません。また厄介なのが住宅を通過していく熱の75%が輻射熱であるということです。輻射熱の対策としては遮熱材という材料があり、赤外線が通過する前に反射してしまおうというものです。遮熱材の需要も近年では高まっており、温暖化が進んでいる現代で断熱材と遮熱材の併用は快適な住生活を送れるようになるとともにエアコンの使用軽減などの省エネにも繋がると言えると思います。

■断熱以外にも得られる効果
 断熱材の使用で気密性を高めることで受けられるメリットは室内を快適温度に保つ以外にも、室内全体の空気を正常に保つための換気の効果を最大限に発揮できることです。気密性の低い住宅の換気は穴の開いたストローが入ったコップをイメージしていただくとわかりやすいと思うのですが、穴の開いたストローでは開いた穴から漏れてしまうため中の飲み物を全く吸えないわけではないですが吸いにくくなることは想像できるかと思います。住宅でも同様なことが言えて、気密性が低いと換気の効果を最大限に活かせず適切な換気を行えないと住宅内の汚染された空気が留まってしまいます。住宅内の空気は、建材や新調した家具、日用雑貨などから発せられる化学物質やカビやダニ、人の呼吸や料理のにおいなど様々な要因により思っている以上に汚れています。その汚れた空気を日常的に取り込むと快適性が損なわれるだけでなく、シックハウス症候群を引き起こしたり、くしゃみや咳、呼吸器官や粘膜が痛むことで免疫力低下により風邪やインフルエンザにかかりやすくなり治りも遅くなります。またひどくなると気管支炎や喘息を引き起こすこともあります。2003年7月建築基準法改正以降、内装仕上げに使用するホルムアルデヒドを発散する建材(木質建材(合板、木質フローリング、パーティクルボード、MDFなど)、壁紙、ホルムアルデヒドを含む断熱材、接着剤、塗料、仕上 塗材など)には原則としてJIS、JAS又は国土交通大臣認定による等級付けが必要となりました。現在では建材メーカーの多くはF☆☆☆☆と呼ばれるホルムアルデヒドの放散速度量が基準法の規制対象外のものが取り扱われている製品がほとんどとなっております。またホルムアルデヒドを発散する建材を使用していない場合においても24時間換気システムの設置が義務付けられるほど、住宅改善の意味も込めて断熱材による住宅内の気密性の向上、それに伴う換気の効果を向上は非常に大切だと思います。

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